Tokyo Physiology 2021 会長ご挨拶

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2020年はまさに混沌とした、鬱屈とした1年でした。

我々のFRIENDS Liveも、この2020年に‘Tokyo Physiology 2020’ として大きく飛翔するべく企画しておりました。その直前2月に突然来襲したCOVID-19の影響は全世界を巻き込み、当然我々のFRIENDS Liveも会期は延期になり、8月時点でも対面は不可能であったため完全WEB上での開催となりました。これらの苦難・対応は決して後退ではなく、基礎から学びたい、という多くの方々とWEBを介して繋がることができ、また多くのプログラムを自由に予習、復習しながら学ぶことができる、講演会のNew Normal Standardに気づく非常に良い経験となりました。

Tokyo Physiology 2021は、より多くの方々(遠方の実務を担う先生方、多くの職種の方々、インターベンション以外の専門領域の方々)にCoronary Physiology評価の重要性を伝え、そのスタンダードを日常臨床に浸透させ、さらに新たな方向性を共有するべく企画しております。様々な日常臨床での疑問を解決できるよう、症例を通して十分なdiscussionを行うべくライブデモンストレーションを予定しております。

冠微小循環障害の評価に関しては、今後非常に重要となってくる領域と考えられ、前回からメインの話題として取り上げました。今回もさらにその知識を整理して、実臨床の中でどのように応用していくかを考えていきたいと思います。

ISCHEMIA試験の発表後、機能的評価の重要性に関し多くの議論がされました。そこから見えてきたポイントは、CCSの治療においてはその病態の安定化を目指した治療が最優先であること、不安定化予見のためのの検査方法の確立が必要であること、不安定化予防におけるPCIの役割を考えること、などが挙げられます。未解決の点も多く、本会でもさらに議論していく予定です。特にvulnerable plaqueの評価方法、予後予測における有効性に関し、現在使用可能な多くのデバイスの実力を深掘りします。

Post-stent FFRの有用性、使い方、その問題点、などに関しては、日本では古くから注目され議論されてきました。その潮流は、最近欧米にも広がりつつあります。Post-stent FFRに関する多くの話題をひとまとめにして深掘りしたいと考えています。

FFRとiFR(Resting Index)の乖離現象に関しては、様々な報告がされています。しかしそこでもめている場合ではありません。最近は海を渡って異国人がやってきました;解剖学的情報から機能的指標を推測するvirtual FFRです。FFR / iFRが、解剖学的指標(angiogram)による評価よりも優れていることは疑う余地がありません。解剖学的な情報から最新の技術を用いて得られる様々なvirtual FFRの実力を見極め、どのように使っていくのか、invasive FFR / iFRとの使い分けをどうするのか、しっかりと議論しなければなりません。

Tokyo Physiology 2021は、Physiology領域の基礎から最新の話題まで、この領域の全てを網羅した議論を、職種(医師、コメディカルスタッフ、企業、開発スタッフ、行政)を超えて行います。このような会は世界中を探しても他に見当たりません、TokyoのFRIENDS Liveだけです! Tokyo PhysiologyがPhysiology領域におけるGold standardとなることを目指し、Tokyoから世界に向けて発信します!

Tokyo Physiology 2021 by FRIENDS Live
会長  田中 信大
東京医科大学八王子医療センター

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