松尾仁司氏に聞くカテーテルタイプFFRの臨床データ – FFR測定をより素早くストレス無く簡便にできるのか?-

岐阜ハートセンター 循環器内科 松尾 仁司先生

松尾:プレッシャーワイヤーと呼ばれるワイヤータイプFFRは、ワイヤー径0.014インチで計測することになります。一方カテーテルタイプFFRはモノレール構造のため、ガイドワイヤー2本弱の径が狭窄部を通過せざるを得ない状況にあるという違いがあります。

松尾:今までACIST FFR、ACCESS NZ、PERFORM、REUNION、IMPACTといった多くの臨床研究が報告されています。それらの研究では、ワイヤータイプFFRとカテーテルタイプFFRとの比較検討データが出てきています。

松尾:多くのワイヤータイプFFRとアシストのカテーテルタイプFFRの相関係数は、0.85以上と強い相関があります。治療に必要なdecision makingにどのくらい影響を及ぼすかというと、ワイヤータイプFFRに比べて、特に血管径が小さな血管、あるいは狭窄度の高度な血管においては、若干の虚血の過大評価がカテーテルタイプでは起こり得るということになっていますが、過小評価することはあり得ません。また、過大評価の程度に関しても、例えば虚血陽性、グレーゾーンを超えて過大評価するということは今までのデータでは無いと言っていい状況です。そのため、FFRをPCI前、あるいは術中・術後に施行する際に、このカテーテルタイプで測定したFFRの値は信頼できるものと考えています。

松尾:大変ストレスのない方法で計測が可能になるデバイスと言えます。

松尾:素早く、ストレスなく簡便にFFR測定ができるということです。臨床的にもカテーテルタイプでFFR測定が可能です。

松尾:特にcomplexなPCI、complex lesionに対してFFRを計測する意義は、SYNTAX IIトライアルで、multi-vesselに対してphysiologyの評価が長期予後を改善することが示されました。一方で、このトライアルではワイヤーを持ち込むことができないという限界があり、約30%でFFRを計測できませんでした。中等度狭窄の単純病変ではなくて、より高度な、あるいは複雑病変に対してFFRを計測する状況においては、カテーテルタイプは非常に有用になる可能性があるのではないかと考えています。

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