FRIENDS Live 2019 会長ご挨拶

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FRIENDS Live 2019 会長
琉球大学大学院医学研究科
岩淵成志

FRIENDS Live 2019についてご挨拶させていただきます。
FRIENDS Live 2019は、2019年3月1日~3月2日の2日間、前回同様東京コンファレンスセンター・品川で開催いたします。
言うまでもなく現在では安定冠動脈疾患の心筋虚血の評価や治療戦略の決定に、CFR, FFR, iFRなどの冠内圧の計測が大きな役割を果たしています。特に平成30年度の診療報酬改定で経皮的冠動脈ステント留置術の算定要件に次の3項目が追加されました。それは、ア)90%以上の狭窄病変、イ)安定労作性狭心症の原因と考えられる狭窄病変(他に有意狭窄病変が認められない場合に限る。)、ウ)機能的虚血の評価のための検査を実施し、機能的虚血の原因と確認されている狭窄病変、です。この診療報酬改定の解釈は都道府県によって若干差があるようですが、今まで以上に虚血を証明することが血行再建術の前提となることが示されています。
2014年のISIS(International Survey on Interventional Strategy)では、Angiogram-based decisionは71%でFFR request 21%、imaging request 7%でした。同時代の日本では冠動脈造影での評価がほとんどだったと思われます。FRIENDS Live 2018でのTown hall Meetingで、虎の門病院顧問の山口徹先生がその時話された言葉が非常に印象に残っています。それは「我々は狭心症患者さんの治療をしていたはずなのに、いつのまにか安定冠動脈疾患の治療になっている」というものでした。我々は患者様の生命予後やQOLを改善するために冠動脈カテーテル治療をしています。いつのまにか冠動脈狭窄の治療になっていないか。必要のないカテーテル治療をして合併症のため予後を悪くしていないか。というメッセージだと思いました。
FAMEではFFR-guide PCIがAngio-guide PCIより死亡・MIが有意に減少することを証明しており、あらためて機能性虚血の原因病変を確定させる重要性がわかります。2017年に発表されたSYNTAXⅡ研究では、Physiologyとimagingを駆使して第三世代のステント、最新のCTO治療技術を用いた最新のPCIは3枝疾患でも1年予後は従来のCABGに匹敵する結果でありPhysiologyとimagingの重要性が示されました。FRIENDS Live 2019でも前回に引き続きTown hall Meetingを企画しており「平成30年度診療報酬改正で日本のPCIはかわったか」ということをテーマにします。
また、冠内圧の計測もFFR, iFRでのGray zoneに関して、DEFINE-FLAIR試験、iFR-SWEDEHEART試験が発表されましたが、FFR, iFRの診断一致率は80%であり、残りの20%のみが比較の検討に使われたため残念ながら統計学的にパワー不足であることが指摘されています。FRIENDS Liveではこれらの試験に関する議論も深めていきます。
安静時における拡張期の圧指標は iFR, dPR, RFR, DFRなど複数使用できるようになりましたが、iFR以外は臨床的なエビデンスはまだありません。FRIENDS Liveではこのような新しい安静時における拡張期の圧指標の意義についても討論いたします。
前回と同様1日目はレクチャー中心の座学であり、この1日でPhysiologyの初歩から応用、Advanced courseまで知識が得られるものと思います。2日目はFRIENDS Liveの特徴である Physiology based PCIのライブをいたします。術前の評価はもとより、術中・術後のPhysiology評価によりStrategyやEnd-pointの決定する工程からPhysiology PCI liveの真骨頂をお見せできると思います。
医療関係者方の多くのご来場を心よりお待ちしております。

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